経営者、CIO、CTO他各界推薦者の言

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チームで仕事をするときに一番大切なことはなんでしょう?

株式会社永和システムマネジメント 代表取締役社長

株式会社チェンジビジョン CTO

Scrum Inc. Japan 取締役 

平鍋 健児

 一人ひとりのスキルや技術力はもちろん大事ですし、チームとしての一体感やコミュニケーションも大事です。目標を明確にして、それに向かうマネジメントも重要でしょう。これらについては、ほとんどの方が賛成すると思います。 

 しかし、ふと自分のいる現場をふりかえってみると、工程管理と分割されたタスクをこなすだけの無味乾燥な作業になってしまっていることはありませんか?もしかしたら、仕事ってそういうものだ、と考えてしまっているかもしれません。そこにチームはありますか?

 諦めないでください!私たちは人であり、仲間と夢を持って仕事をし、それに喜びを感じることは仕事において一番大切なことではないでしょうか。今、世界は変わろうとしています。未来が予測しづらくなり、企画書や仕様書に正解がない世界です。市場との対話によってのみ正解に近づくことできる世界、チームが事業の価値を創る世界です。そこでは、これまで焦点が当たりにくかった、ユーザとの会話、現場のチームとしての強さ、個人の成長、社会への貢献感が、仕事をドライブする大きな要因であり、それこそがビジネスを成功させる秘訣である、と多くの経営者が変わり始めたのです。

 とくにソフトウェアをビジネスの基盤としている組織では、アジャイル開発が主流になりつつあり、ユーザの価値づくりのために開発者とビジネスが協力しながら、チームで仕事を進めるスタイルが基本になってきました。ウォーターフォール型の開発であっても、チームの運営の仕方は、よりモチベーション重視、オープンなチーム重視に移行しています。

 そんな環境で求められているのは、変化を受け入れる人、変化を先導する人です。ぜひ、この本を読んでみてください。あなたの気持ちが明るくなり、行動への勇気が得られるはずです。著者は、アジャイルやTPSの考え方を現場に取り入れ、現場チームとともに考えて実践してきた知恵と気づきを、本書で共有しています。私が大好きな、ビジュアルマネジメントボードのつくり方や使い方などの具体的な例もたくさん盛り込まれており、DevOpsへの移行についても示唆に富んでいます。本書を読み進めることで、新たな気づきがたくさん得られるでしょう。

 もし、みなさんの現場が意味を見失い、形式だけの改善活動や指示をこなすだけの作業に麻痺してしまっているのであれば、そして、なにかを変えたいと思っているのであれば、これはあなたの本です。また、アジャイルを始めてもなかなかしっくりこない方にもお勧めです。海外で流行っている方法をそのまま現場で真似しようとしてもなかなかうまくいきません。自分たちで、自分たちのチームのやり方を創る必要があるのです。その考え方の指南書と思って読んでください。

 そして、あなたとあなたのチームが自ら、現場に笑顔を取り戻しましょう。