経営者、CIO、CTO他各界推薦者の言葉

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アジャイル方式転換に苦労しているコンサルタントや現場リーダ、ソフトウェア産業に関わるみなさんに推薦したい

元トヨタ自動車株式会社 情報事業企画部主査

現一般社団法人 持続可能なモノづくり・人づくり支援協会(ESD21)代表

NPO法人 ものづくりAPS推進機構(APSOM)理事長

一般社団法人 TMS&TPS検定協会理事 

黒岩 惠

 本書は、TPS(Toyota Production System)のオフィス業務版、TMS(Toyota-wayManagement System)の公認講師による、ソフトウェア開発現場の活性化、自律化支援の実践書である。対象分野はホワイトカラー職場の活性化と働き方改革、W\F(ウォーターフォール)型ソフトウェア開発現場の活性化、アジャイル方式への転換、TMS /TPSにおけるVSM(バリューストリームマップ)、自工程完結、大部屋活動、さらに開発・運用の全体最適を狙うDevOpsなどである。

 広範囲な分野のコーチング実践から得られたノウハウ満載の本書を、アジャイル方式転換に苦労しているコンサルタントや現場リーダ、ソフトウェア産業に関わるみなさんに推薦したい。現地現物で開発現場の仕事の見える化、改善支援活動で著者の根底に流れる「人間性尊重」、心のホスピタリティによる人のパフォーマンスを最大限に引き出す「やさしさ」にも共感させられる。

 20世紀のモノづくりがフォード方式からトヨタ方式(リーン方式)に転換してきたように、ソフトウェア開発プロセスのW\F型からアジャイル方式への転換は歴史的必然。トヨタが80年代前半に米進出以来、MITなどの研究者が日本のモノづくりの強さとTPSを真摯に学び、90年代初から生産現場や製品開発ではリーン方式と命名。ソフトウェア開発ではXPやスクラムなどのアジャイル方式として普及し、現在ではW\F型に替わってアジャイル方式が主流になっている。

 企業経営、ビジネス活動に占めるIT化、ソフトウェアの比重は多様化し増大した現在、ソフトウェア技術者の人財再教育と開発プロセスのアジャイル方式への転換が期待される。人間系重視のTMS/TPSをソフトウェア開発プロセスに適用できる指導者は多くはないが、自律化に向けたチームづくりの過程で、大きな変化の対応に有効なスイッチと事例により本書の読者と情報共有できれば、著者にとって大きな悦びであろう。