会議の見える化
タイムボックス・ストーミング
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タイムボックス・ストーミング
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会議の見える化 タイムボックス・ストーミング
皆さんの会議とは、如何でしょうか?効果的、効率的な会議運営ができていますか?会議と聞いただけでうんざりとか時間の無駄とか、何かネガティブなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?特に若手の方々はこの傾向が強くないでしょうか?「どうせ若者の意見は聞いてくれない」とか、「いつもの人や声の大きい人の意見でまとまってしまう」とか、「会議の趣旨が見えない、解らない」とか、「偉い人の演説で終わってしまう」とか、「何も結論が出ない」とか。特に最近のコロナ禍以降は、リモート会議流行りですが、このような傾向が激しく増えておりませんか?マイクをミュートしてただ聞いているだけの会議参加をしていませんか?
そこで、アジャイルな働き方から『会議の見える化』を試してみませんか?ちょっと発想を変えるだけで、まったく違った効果的、効率的な会議が運営できます。特にリモート会議での威力は大きいです。また全員参加の会議運営が可能となり、効率的な運営で、会議結果の質も量も従来の会議とは比べモノにならないくらい高いです。
アジャイルマインドセット(スクラム)の最大のポイントであるタイムボックスと言う考え方を利用した会議運営方式です。それで『タイムボックス・ストーミング』と命名しました。
まず、最初にその効果から挙げましょう。
会議予定時間をしっかりと守れる。
効率的に意見交換ができる。
会議参加者の全員が意見を述べられる。
議論に集中できる。
声の大きい人や偉い人の長々とした演説を防止できる。
会議の目的を素早く達成できる。
会議結果を全員で合意しやすい。
どうですか?試してみたくなりませんか?
いままでの一般的な会議について少し振り返ってみたいと思います。
会議を開催するにあたって、会議の趣旨(目的)や会議でのゴール(期待する到達点)、会議参加者の適正、会議時間などなど会議を開催する前にしっかりと決めておかなければならない事があります。では、これらをしっかりと吟味して会議の招集をかけているでしょうか?
まず、会議の目的、目標(期待する到達点)を明確にしなければ、どのような会議運営方式をとっても会議は成功しません。また多分一番頭を悩ませるのが適正な会議時間ですが、1時間が妥当なのか、2時間が妥当なのか?、それはあまり考慮されていません。取り敢えずこの位あればよいだろうくらいの話ではないでしょうか。結果、時間不足で何も結論が見出せなかったり、沈黙の時間が多く消極的な会議だったりしませんか?
また会議でよく見掛ける情景は、参加者の全員が発言するような活発な意見交換は見られません。司会から意見を促されて、初めてぼそぼそと話し出たり、常連客の様に自分の意見のみ長々と話、他人の意見を全く聞いていなかったり、要は会議参加者の意見をしっかりと全員で共有することができておりません。
従って、会議の結論は、声の大きな人の意見でまとまったり、多数決で投票して決めたりします。その結果、賛同できない人がいて、会議で決まった事がしっかりと全員で実行されることはめったにありません。これでは何のために会議を開催したのでしょうか?本当に時間無駄使いですね。
問題点を整理してみましょう。
従来の会議では、会議時間が適正かよくわからない。また時間をあまり意識していないので、結論(到達点)が曖昧になる。会議参加書全員の意見を平等に扱わない。また全員から意見を引き出せない。このような問題を抱えている結果、会議での決定が多数決になり、結論に賛同できない声のない反対意見を抱えたまま実行に移し、非協力的なメンバーが生まれ、成果を得られない。ではないでしょうか?
この様な悪い会議を一掃しませんか?タイムボックス・ストーミングでは、このような問題を解決できます。
タイムボックス・ストーミングとは?
通常会議時間は1時間とかに決めますが、そうでは無く、アジャイル開発でのスプリントの様に議論の反復を繰り返しながら、議論を進めていく遣り方です。
例えばこのような形式です。
議論の時間を20分とか25分でタイムボックス(時間の枠)を設定します。その時間が経過したら、即に振り返りを5分程度します。この振り返りとは、前の20分とか25分間の議論の時間を参加者が過ごして、
何が良かったか?
何が悪かったか?
議論をするうえで課題・問題は何か?
を全員で振り返ります。その後、小休憩を5分から10分程度取り、ヒートアップした頭(脳)を休めます。この一連の行動を複数回廻して(反復を繰り返す)会議を進めていきます。
経験からアドバイスを申し上げますと従来1時間程度の会議時間を意識されるのであれば20分の議論のスプリント(先ほどの1つの反復)を3回と言った形です。これで実質20分x3スプリント=60分の正味議論時間が得られます。
従来2時間程度の会議時間を想定するのであれば、25分の議論スプリントを5回が適正かと思います。このケースの場合には、25分x5スプリント=125分の正味議論時間になります。
下のタイムボックス・ストーミングのタイムチャート(例)を参照してください。
通常1時間の会議の場合
13:00-13:20(20):第一議論スプリント
13:20-13-25( 5):振り返り(KPT)
13:25-13:35(10):休憩
13:35-13-55(20):第二議論スプリント
13:55-14:00( 5):振り返り(KPT)
14:00-14:10(10):休憩
14:10-14:30(20):第三議論スプリント
14:30-14:35( 5):振り返り(KPT)
通常2時間の会議の場合
13:00-13:25(25):第一議論スプリント
13:25-13-30( 5):振り返り(KPT)
13-30-13 40(10):休憩
13-40-14:05(25):第二議論スプリント
14:05-14:10( 5):振り返り(KPT)
14-10-14:20(10):休憩
14:20-14-45(25):第三議論スプリント
14-45-14:50( 5):振り返り(KPT)
14:50-15:00(10):休憩
15:00-15:25(25):第四議論スプリント
15:25-15:30( 5):振り返り(KPT)
15:30-15:40(10):休憩
15:40-16:05(25):第五議論スプリント
16:05-16:10( 5):振り返り(KPT)
この様にタイムチャートを予め決めて、このタイムチャートに沿って時間厳守で会議を運営します。必ずタイムキーパー役を事前に任命してタイムキーパーは厳格にこのタイムチャート通りに時間管理をします。たとえ誰かが(偉い人でも)話している最中に時間が来たら、強制的に時間を告げて止めさせ、次の行動へ移ります。
タイムボックス・ストーミングを初体験された方々の感想を紹介します。
A氏:
最初は進め方が分からなかったが、スプリントごとに方向感が明確になった。
スプリントごとに時間を意識しながら話ができた。
役割分担がスムーズにできた。
問題点の洗い出しと対策のレベルがスプリントごとに高くなった。
B氏:
日頃の業務に追われていると時間を区切る働き方が出来ていないと改めて思った。
議論の目的、ポイント、最終合意点などを明確にして細かく区切る進め方は、常に経過を意識していくので結果的に時間内に終えることができた。
とにかく「細かく区切る」進め方はとても有用だと思った。
C氏:
時間内にまとめることはとても難しいと感じた。
時間が区切られているだけで集中力がアップした。
同じ流れを繰り返すことで議論の時間とKPTの時間で脳を切り替えて考えることができた。
スプリントごとにKPTを入れることで、チームで時間の使い方が向上してきたと感じた。
日頃だらだら仕事をしてしまうことが多いので、時間を区切ってやめる判断も重要だと感じた。
D氏:
時間で区切る。割り切って次に進むことことで、スピードアップするイメージを体感。(ウォーターフォールとは異なる感覚)
KPTにより、少しずつチームとして改善・効率化されていくイメージを体感。
スプリントの最初に「何をすべきか?ゴールは?」の明確化が大切。(途中での再確認も必要)
E氏:
最初は進め方やゴールのイメージがつかず、どう進めていいのかわからなかったが、スプリントを細かく区切ることで次第に明確なイメージが沸いた。
普段から時間で区切る会議はしたことがなかった(議題が終わるまでで区切っていた)ので、時間で区切る方法は新鮮で、非常に効率的だと感じた。
如何でしょうか?
令和4年4月28日
戸田孝一郎